結局、僕は
空間に輪郭を
描いている


デザインの輪郭
とは
なんとなく
具体的なかたちの
周りにある
ぼあっとした
もの


関係が
見えるんです
複雑なものが
すうぅと


じっと目を
凝らしていて
はっと
見えてくるものか

もしくは
ふっと
見た瞬間に
現れてくる

もの





  - 深澤直人


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小学生の
頃は
夜や闇
そして
影に
怯えていた



徐々に
日が西に
傾きかけて
来た頃から
暗い暗い
夜が
訪れると
思うだけで

得たいの
知れない
何者かに
どこかに
連れ去られて
しまうような
気がした


あの頃
僕が
恐れていた
ものは一体
何だったの
だろう


いつかは
必ず終わる



病気になる
ことへの
怯え


徐々に
老いていく
身体


そんなもろもろの
恐怖が
死神のお面を
かぶって
毎晩、毎晩
僕に襲い
かかって
くるようだった



でも
いつしか
僕は


その死神達と
恐がらずに
話をする
勇気を持てることが
できるように
なった


不思議なことに
彼らと僕は

だんだんと
友達のように
さえ
なっていった


闇のなかには
光があるのに


僕には
それが
見えて
いなかったのだ


今は見える
どんな暗闇の
中にでも


光のかけら達が
笑っているのが





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