うわべばかりを
撫で回されて
急に全てに嫌気がさした僕は
僕の中に潜んだ暗闇を
無理矢理ほじくり出して
もがいてたようだ
真実からは嘘を
嘘からは真実を
夢中で探してきたけど
今僕のいる場所が
探してたものと違っても
間違いじゃない
きっと答えはひとつじゃない
何度も手を加えた
汚れた自画像にほら
また12色の心で
好きな背景を描きたして行く



                     - 桜井 和寿



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ある朝かぜが

吹きぬけた

僕の体の細胞の

一つ一つを

その風は

吹きぬけた

その瞬間に

鳥肌がたち

僕は大切な何かを

忘れているような

感覚に

押しつぶされそうになる

なんだったのかな

なんだったのかな

僕にとって

大切なこと

ぐるぐるぐるぐる

風の粒子が

僕の体の細胞を

駆け巡る

覚えているくせに

覚えているくせに

風の粒子が

けらけら

と笑いながら

僕の細胞を

くすぐりつづける

ぐるぐるぐるぐる

風の粒子が

僕の体の細胞を

駆け巡る




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