。。。。。。。。。。。。。。。

。。そういう姿を感じる。。。。

。。能力は 誰にでも。。。。

。。備わり。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。そういう姿を求める。。。。

。。心は 誰にでも。。。。。。

。。あるのです。。。。。。。。

。。ただ、この能力が。。。。。

。。私たちにとって。。。。。。

。。どんなに貴重な。。。。。。

。。能力であるか、また。。。。

。。この能力は。。。。。。。。。

。。養い育てようとしなければ。。。

。。衰弱してしまうことを。。。。

。。知っている人は。。。。。。。

。。少ないのです。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。今日の様に。。。。。。。。。

。。知識や学問が普及し。。。。。

。。尊重されるようになると。。。。

。。物を感じる能力のほうを。。。。

。。知らず識らずのうちに、。。。。。

。。疎かにするように。。。。。。。。

。。なるのです。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。物の性質を知ろうと。。。。。。

。。するようになるのです。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。感ずるということも。。。。。

。。学ばなければ。。。。。。。。

。。ならないものなのです。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。そして。。。。。。。。。。。。

。。立派な芸術というものは。。。。

。。正しく、豊かに。。。。。。。。

。。感ずることを。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。人々に 何時でも。。。。。。

。。教えて、。。。。。。。。。。

。。いるものなのです。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。


「真贋」- 小林秀雄

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。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。いわゆる「美術館」に対して。。

。。僕は心地よい感情と。。。。。。

。。同時に どこか。。。。。。。。。

。。うさんくさい感触を。。。。。。

。。覚えてしまう。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。ノイズや雑踏から。。。。。。。。

。。「少し」離れた。。。。。。。。。。

。。「美術館」という「箱」に。。。

。。はいるのは。。。。。。。。。。。

。。世間からの逃避という意味。。。。。

。。においても「心地よさ」を。。。。。

。。覚えるのだろう。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。ただ、そこに展示してある。。。。。。

。。「芸術作品」は。。。。。。。。。。。。

。。決して人工の箱の中では。。。。。。。。

。。それらの本性、魂を。。。。。。。。。

。。ほとんど さらけ出すことは。。。。。

。。ない。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。海を人工的に切り取った。。。。。。

。。水族館や。。。。。。。。。。。。

。。野生を空輸してきた。。。。。。。。

。。動物園と同じことで。。。。。。。。

。。そこにあるのは。。。。。。。。。。

。。「擬似的」な。。。。。。。。。。。

。。芸術品の寄せ集め。。。。。。。。。。

。。だと思う。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。もし 箱の中に。。。。。。。。。。

。。無理やりに押し込まれた。。。。。。。

。。美と より親密な対話が。。。。。。

。。したければ。。。。。。。。。。。

。。夜中にこっそりと。。。。。。。。。

。。美術館に侵入することだ。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。日中 大勢の人達に。。。。。。

。。見つめられて。。。。。。。。。

。。緊張した芸術の。。。。。。。。

。。かけらたちは。。。。。。。。。

。。夜中になると。。。。。。。。。

。。その本当の姿を。。。。。。。。

。。表しだす。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。まるで、人が見ていないとき。。

。。夜中に 動き出す。。。。。。

。。おもちゃの兵隊さん。。。。。

。。みたいに。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。僕にとっては。。。。。。。。。

。。美にたいする。。。。。。。。。

。。感触は とても。。。。。。。。。

。。パーソナルで しかも。。。。。。

。。エロチックなものが。。。。。。。。

。。ある。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。だから。。。。。。。。。。。。。

。。多くの人で混雑した。。。。。。。

。。美術館というものは。。。。。。。

。。ほとんど。。。。。。。。。。。。

。。通勤客で混みあった。。。。。。

。。駅のフォームのようで。。。。。。

。。疲れてしまう。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。5、6年ほど前に。。。。。。。

。。モントリオールのある美術館を。。

。。真冬に訪れた。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。人もまばらな。。。。。。。。。。。

。。その美術館で、。。。。。。。。。。。

。。僕は友人たちと。。。。。。。。。。

。。わざとはぐれて。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。一人で 壁に。。。。。。。。。。。

。。貼り付けられている。。。。。。。。

。。美のかけら達と。。。。。。。。。

。。ひっそりと。。。。。。。。。。。

。。交わっていた。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。足音を忍ばせて。。。。。。。。

。。歩いていると。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。僕の存在に。。。。。。。。。。

。。気づくことなく。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。そのひとは。。。。。。。。。。

。。壁に貼り付けられた。。。。。。

。。美のかけらと。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。交わっていた。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。


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