。。マイナス50度の 寒気の中。。。

。。チュルチュルとさえずりながら。。

。。一羽のコガラが。。。。。。。。。。

。。目の前を飛び抜けた時の。。。。。。

。。驚きを鮮明に覚えている。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。あらゆるものが凍りついた。。。

。。世界で。。。。。。。。。。。。。

。。なぜさえずることが出来るのだろう?

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。10センチほどの小さなからだで。

。。どうやって命の炎を。。。。。。。

。。燃やし続けることが。。。。。。。

。。出来るのだろう?。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。生き物たちは。。。。。。。。

。。ただ次の春まで。。。。。。。。

。。存在し続けるため。。。。。。。

。。ひたむきな。。。。。。。。。

。。生の営みを見せてくれる。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。それは。。。。。。。。。。

。。自分自身の生物としての。。。

。。生命を振り返らせ。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。生きていることの。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。不思議さ。。。。。。。。。

。。脆さを。。。。。。。。。。

。。語りかけてくる。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。自然と自分との。。。。。。

。。壁が消え。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。一羽の小鳥に。。。。。。

。。元気づけられるのは。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。可笑しなことだろうか?。。

。。。。。。。。。。。。。。

INUUNIQ(生命)- 星野道夫

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。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。「これが。。。。。。

。。あなたにとって。。。。。

。。生きている内に。。。。

。。乗ることの出来る。。。

。。最後の新幹線です」。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。もっと過激に。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。「この新幹線が。。。。

。。目的地についたら。。。。

。。あなたは。。。。。。。。

。。死んでしまいます」。。

。。。。。。。。。。。。。

。。と宣言されたら。。。。

。。ど どうする??。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。僕は。。。。。。。。

。。そんなことを。。。。。。。

。。新幹線に乗りながら。。。。

。。自分に質問していた。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。 。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。いろんな事が。。。。。。。。

。。頭とか。。。。。。。。。。

。。心とか。。。。。。。。。

。。体の細胞を。。。。。。。

。。横切ったけれど。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。僕自身の結論は。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。どうしようもなく。。。。。

。。平凡なもの。。。。。。。。

。。だった。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。それは。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。ただ、ただ。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。窓の外の。。。。。。。。。

。。景色を。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。眺めること。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。それほど。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。今日 乗った。。。。。。

。。新幹線の窓から眺める。。。

。。景色は。。。。。。。。。。

。。美しかった。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。米原付近では。。。。。。。

。。かなり吹雪いていたのに。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。名古屋に着く前には。。。。

。。急に雲間から。。。。。。。

。。太陽の光が。。。。。。。。

。。差し込んできて。。。。。。

。。以前。。。。。。。。。。。。

。。ポルトガルのファティマで見た

。。太陽を思い出させた。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。日が西に傾いてくると。。。

。。山々がオレンジ・シャーベットの

。。淡い色づけをしたように。。。

。。冷たさと熱さが混在したような

。。表情を見せていた。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。感激して。。。。。。。。

。。周りの人たちを。。。。。

。。見渡してみると。。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。寝ている。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。雑誌を読んでいる。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。漫画を見ている。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。どうして。。。。。。。

。。こんなに目まぐるしく。。

。。変わっていく景色に。。。

。。気づかないんだろう???。

。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。新幹線に乗っていると。。

。。移り行く景色というもので。

。。僕たちが。。。。。。。。

。。限られた時間の中で。。。。

。。精一杯駆け抜けることの。。

。。大切さを。。。。。。。。。

。。ビジュアルに。。。。。。

。。思い出させてくれるので。。

。。とても好きだ。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。残された時間で。。。。。

。。出来ることは。。。。。。

。。やっぱり。。。。。。。。

。。一生懸命 心にとどく目で

。。。。。。。。。。。。。。。

。。ただ。。。。。。。。。。

。。景色を眺めて。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。今迄見落としていた。。。

。。メッセージについて。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。気づくことかな。。。。

。。。。。。。。。。。。



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