以前の会社は 総武線の

新日本橋にオフィスがあった

朝 疲れた表情で通勤している人達が

何かに引っ張られるように

地下鉄の階段を上っている姿を見て

思わず「ハメルーンの笛ふき」の話を

思い出した

そう..あの村のネズミ達を

笛をふきながら退治する話..

そして こう思った

「この生活や社会ってのは

少し、おかしいな..」って

...そして...

「眼に見えない何かに対して

...流されずに...

生きていかなきゃならない」って

感じた.....



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そのようにして


2週間ばかりが


経過した後で


僕はふとこう思った


これまで何を


あくせく


していたんだろう


東京で暮らしていた時は


なんであんな


些細なことで


苛立ったり


腹を立てたり


していたんだろう






(村上春樹)

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